リテーナーとは
リテーナー(保定装置)は矯正後の歯を正しい位置に保つ為の装置です。矯正後は保定期間という歯が元の位置に戻ろうとする期間があり、歯が元の位置に戻る事を「後戻り」と言います。リテーナーを利用しないとこれまでの矯正治療が無駄になってしまいますのでしっかりと装着して綺麗な歯並びを保ちましょう。
リテーナーの種類と特徴
リテーナーには固定式と脱着式の物があり、当院では以下の4種類のリテーナーをご提供しています。
1.プレードタイプリテーナー

プレートタイプリテーナーとは金属とプラスチックを組み合わせて作られた脱着可能なリテーナーです。歯の表面はワイヤーで固定、歯の裏側はプラスチックのプレートで固定します。このリテーナーは様々な機能を追加でき歯と歯の間に舌を入れる癖(舌突出癖)がある方にはクリブと呼ばれるフェンスの機能を付与することが可能です。リテーナーの作成には口腔内の型を取り、型を元にプラスチックのプレートとワイヤーを使用してリテーナーを作ります。
作成期間:約1週間
メリット:
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耐久性が高く長期間使用できる
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脱着式なので清潔に保ちやすい
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クリプなどの様々な機能を付ける事が可能
デメリット:
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喋りにくい
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目立ちやすい
2.マウスピースタイプリテーナー

マウスピースリテーナーとはプラスチック製の透明のリテーナーです。透明なので目立ちにくい、作成期間が短いという特徴がありますが、同じような見た目のビベラリテーナーと比較すると素材や工法が異なる為、耐久性が低いという点があります。リテーナーの作成には口腔内の型を取り、型を元にプラスチックを使用してリテーナーを作ります。
作成期間:1日~2日
メリット:
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作成期間が短い
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透明で目立ちにくい
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脱着式なので清潔に保てる
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装着に対する違和感や痛みが少ない
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装着中にホームホワイトニングジェルを利用する事で歯のホワイトニングをすることも可能
デメリット:
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耐久性が低く壊れやすい
3.ビベラリテーナー(インビザラインのリテーナー)

ビベラリテーナーは米国アライン・テクノロジー社(インビザラインの会社)が作成するリテーナーです。見た目はインビザラインと同じような透明のマウスピースですが、インビザラインに比べリテーナーの方が約30%程強度が高く長期間の利用に適したものとなっています。このリテーナーは特殊な熱可塑性プラスチックを使用し、お客様の口腔の詳細な3Dスキャンに基づいて個別に製造されます。これにより歯の動きを正確に制御し、保定力を高めることができます。また、このリテーナーは非常に薄く、体温で柔らかくなるため、口腔内に密着し、快適に装着できます。これらの特性によりビベラリテーナーは他のマウスピースリテーナーよりも口腔によくフィットし、高い強度と耐久性を持ち合わせています。他のリテーナーを作成する際には歯型を取らなければいけませんが、このリテーナーの作成には3Dスキャンのみなので歯型を取るのに抵抗がある人でも楽にリテーナーの作成ができます。ビベラリテーナーは2023年7月までは1回で3セット分の購入をする必要がありましたが、現在では1セットからの購入も可能になりました。
作成期間:約3~4週間
メリット:
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リテーナー作成時には3Dスキャンのみで歯形を取る必要が無い
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口内スキャンを元に作られる為、歯にピッタリのリテーナーができる
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マウスピースタイプよりも耐久性が高く壊れにく
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透明で目立ちにくい
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脱着式なので清潔に保てる
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装着に対する違和感や痛みが少ない
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装着中にホームホワイトニングジェルを利用する事で歯のホワイトニングをすることも可能
デメリット:
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アメリカで作成しているので届くまでに時間がかかる
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他のタイプに比べて値段が高い
4.フィックスタイプリテーナー(固定式リテーナー、リンガルリテーナー)

フィックスタイプリテーナーは歯の裏側にワイヤーで固定するリテーナーです。歯に直接接着するので食事の度に外す必要はありません。このリテーナーは前歯を強固に固定するのが特徴で奥歯には対応していません。リテーナーの作成には口腔内の型を取り、型を元に金属ワイヤーを使用してリテーナーを作ります。作成されたリテーナーは歯科用の接着剤と特殊な光を使用して歯にリテーナーを固定します。固定式なので歯の後戻りの心配はありませんが、正しく接着できているか定期的に歯科医師によるチェックが必要です。ビベラリテーナーと組み合わせて利用される方も多くいます。
作成期間:約30分
メリット:
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動きやすい部分を強固にとどめておくことが可能
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目立ちにくい
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固定式なので付け忘れによる歯の後戻りが無い
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一回の通院で設置可能
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脱着式のリテーナーとの併用が可能
デメリット:
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歯磨きが難しくなる為、虫歯や歯周病などのリスクが高まる
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硬い物を食べた時に外れる事がある
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外れたら通院が必要
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前歯から第一大臼歯までしか対応できず奥歯の対応はできないため、他の種類のリテーナーと組み合わせて使用することが多い
これら4つのリテーナーはそれぞれメリットとデメリットがありますので、お客様の口内状況に応じながら使い分けを行います。
注意点
これら4つのリテーナーはそれぞれメリットとデメリットがありますので、お客様の口内状況に応じながら使い分けを行います。
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リテーナーを付け始めの頃は違和感や発音しにくい場合がありますが、数日から数週間程で慣れてきます。装着時に痛みがある場合はご連絡下さい。
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リテーナーは数日利用しないだけでも歯が後戻りします。リテーナーが壊れたり紛失した場合はなるべく早くご来院ください。
その他ご不明な点があればお気軽にご相談下さい。
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治療中の痛みはありますか?従来型のワイヤー矯正治療に比べると痛みは格段に少ないですが、新しいステージのマウスピース(アライナー)に交換した後に、歯の圧痛を経験する場合があります。痛みの感覚には個人差がありますが、通常その症状は2〜3日で良くなります。
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インビザラインは一日どのくらい装着するのですか?1日の使用時間は約20~22時間です。食事する時や歯磨き時を除き、常に装着しているのが望ましいです。長時間外してしまうと、治療期間が長期化する可能性があり、望まれる治療結果の実現性に影響を与える場合があります。
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インビザラインを装着すると喋りづらいですか?装着直後に一時的に発音に影響を与える場合がありますが、通常1週間以内に慣れて通常通りに会話することができます。
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通院頻度はどのぐらいですか?インビザライン治療中は、マウスピースを自分で新しいものに取り替えることができるため、従来型の矯正治療に比べて通院頻度が少ないです。2〜3ヶ月に1回で通院できることから、海外へ行ったり来たりする方や忙しくてなかなか時間が取れない方におすすめです。
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治療中に歯の表面に付いてある白い物は何ですか?インビザライン治療中に歯の表面に付いている白いポッチは「アタッチメント」と言います。アタッチメントは、インビザラインが歯にしっかりと固定され、歯を動かすための圧力がかかるように、歯の表面に設置する突起物です。歯の色に近い色ですからあまり目立ちません。治療の後にアタッチメントを綺麗に撤去します。
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インビザライン治療で歯を削る事も必要ですか?(IPR)インビザラインに限らず矯正治療を行うには歯を移動するためのスペースが必要です。そのスペースを確保するために歯を削る治療をIPR (Interproximal Enamel Reduction)と呼びます。IPRは歯と歯が接している部分を片面づつ約0.2mmで、歯のエナメル質の厚みの3分の1以下です。研究結果よりIPRが原因で歯が悪くなったり、むし歯になるという報告はありません。また、インビザライン治療で歯を削る場合は、すべてコンピュータで削る量を計算するため、必要な量だけスペースを獲得することができます。
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インビザライン治療中に帰国するとどうなるのですか?インビザラインの治療期間中に帰国することになって通院ができなくなった場合でも、転院して治療を継続することができます。インビザライン製造会社のアライン・テクノロジー社は患者様をシリアル番号で管理しているため、転院先の歯科医院がインビザライン治療を行っていれば、患者様の治療情報を譲渡することが可能です。帰国や引っ越し予定がある方は、カウンセリング時にぜひ相談してください。
リテーナーの費用
片方 | 上下両方 | |
プレートタイプ | 3,000 バーツ | 6,000 バーツ |
マウスピースタイプ | 3,000 バーツ | 6,000 バーツ |
ビベラ | 4,500 バーツ | 9,000 バーツ |
ビベラ(3個セット) | 9,000 バーツ | 18,000 バーツ |
フィックスタイプ | 3,000 バーツ | 6,000 バーツ |